この記事の内容
導入事例は、製品やサービスを使った顧客の経験を通じて、導入前の課題、選定理由、導入後の変化を伝える記事です。機能紹介だけでは分からない「どんな条件で選ばれ、どう使われたか」を、検討中の読者が確かめられます。
初めて作るときは、まず誰に何を伝えたいかを決めます。そのうえで取材する顧客と話を聞く相手を選び、質問案の作成、取材、原稿制作、確認、公開へ進みます。取材前に必要な情報を考えておくと、聞き漏らしを減らし、執筆の材料をそろえやすくなります。
全体の工程と、各段階で決めること
企画
- 決めること・作るもの
- 読者、用途、伝えたいテーマ
- 次に進む前の確認
- 営業やマーケティングの目的に合うか
顧客選定・依頼
- 決めること・作るもの
- 取材先、話者、掲載範囲
- 次に進む前の確認
- 取材と公開への協力が得られるか
取材準備
- 決めること・作るもの
- 質問案、参考資料、撮影内容
- 次に進む前の確認
- 誰がどの話を答えられるか
取材
- 決めること・作るもの
- 経緯、判断、変化の具体的な話
- 次に進む前の確認
- 数値の根拠や不明点を確認できたか
原稿
- 決めること・作るもの
- 構成、本文、見出し、要約
- 次に進む前の確認
- 課題から変化まで話がつながるか
確認・デザイン
- 決めること・作るもの
- 承認された原稿、写真・図版、紙面
- 次に進む前の確認
- 発言・事実・掲載範囲に問題がないか
公開・活用
- 決めること・作るもの
- Web記事、PDF、営業への案内
- 次に進む前の確認
- 公開版が最終承認版と一致するか
アークタンジェントでは、ご相談から納品まで4〜7週間程度を目安にしています。取材日程や顧客確認によって期間は変わります。展示会に間に合わせたいなど期限がある場合は、最終確認とデータ入稿に必要な時間も見込んで逆算します。
読者と使い道から、一本のテーマを決める
例えば、ワークフロー製品の事例でも、経営層に伝えるなら判断の速さや統制、情報システム部門に伝えるなら既存システムとの連携や運用、現場担当者に伝えるなら申請の手間や迷いが主題になります。
複数の視点を盛り込む場合も、主に誰の疑問に答えるかを決めます。例えば「進捗確認に時間を取られている管理部門へ、申請者が自分で状況を確かめられるようになった過程を伝える」と、一文で書いてみます。
この仮説は、取材相手の回答を誘導するための筋書きではありません。実際の経験を聞いて、想定と違う価値が見えたらテーマを見直します。
取材する顧客と、話を聞く相手を選ぶ
知名度や成果の大きさだけで決めず、読者が自社に置き換えられる条件かを見ます。業種、組織規模、導入前の仕事の進め方が近い顧客は、有力な候補です。
同時に、誰に話を聞くかも決めます。選定担当者は比較の経緯を知り、運用担当者は使い始めてからの工夫を知っています。一人ですべて答えられない場合は、複数名の参加や追加確認を相談します。
候補の比較は取材先の選び方、実際のお願いの仕方は取材依頼のメール文例で詳しく扱っています。
質問案は、事前資料を読んでから作る
製品資料、顧客の事業内容、営業やサポートが把握している導入経緯を確認します。公開資料で分かることと、本人に聞かないと分からないことを分けておくと、限られた取材時間を経験の話に使えます。
基本になるのは、導入前の状況、検討のきっかけ、比較した条件、選定の決め手、導入の工夫、導入後の変化です。回答に応じて質問を加え、実際に起きたことを詳しく聞きます。
「情報共有が楽になった」と聞いたら、以前は誰が誰に、何を確かめていたのかを尋ねます。具体的な場面に戻る追加質問が、原稿の材料になります。インタビューの質問例も活用してください。
取材の材料を、読む順番に組み立てる
取材が終わったら、録音やメモから記事の軸になる話を選びます。当初の質問案どおりに並べるだけでなく、取材相手が重視していた判断や変化を中心に、必要な背景をつないでいきます。
構成は「課題、選定理由、導入、成果」が基本ですが、冒頭では記事全体が分かる要約を付けられます。詳しい経緯は本文でたどれるようにし、企業紹介や製品の一般説明が長くなりすぎていないかを見ます。
まず構成テンプレートに材料を入れ、足りない箇所を確かめてから書き進めると、原稿の途中で止まりにくくなります。
原稿と掲載状態を、それぞれ確認する
原稿確認では、製品名、数値、発言者、部署・役職、導入時期、公開してよい情報を見ます。発注者と取材先のどちらが何を確認するか、修正を誰が集めるかも明確にします。
原稿が承認されていても、デザイン後の確認は必要です。大きく抜き出したコメントから条件が落ちていないか、図版の矢印が違う意味を持っていないか、写真と氏名が合っているか。文章単体と紙面では、受け取られ方が変わることがあります。
最終版が確定したら、Web上の改行、画像、リンク、PDFのダウンロードも確認します。詳しい承認手順は原稿確認・承認をご覧ください。
公開した事例を、使う人へ届ける
公開後は、営業にURLと「どんな顧客への説明に向くか」を伝えます。商談前の案内、社内説明用の資料、展示会後のフォローなど、使う場面が分かると事例を選びやすくなります。
最初からすべての形式をそろえる必要はありません。よく使われる記事をPDFや提案用の一ページへ展開することもできます。使われ方や顧客の反応を聞き、次に足りない事例を考えるところまでが運用です。
文・編集:株式会社アークタンジェント
IT・BtoBの導入事例、取材記事、営業資料、ホワイトペーパーなどを企画・制作しています。
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