ARCTANGENTIT・BtoBコンテンツ制作

導入事例集の作り方

複数の事例をPDF・冊子にまとめる

この記事の内容
  1. 事例集のテーマを、読者の疑問で決める
  2. 掲載する事例を選び、比較できる項目をそろえる
  3. 比較表で、導入条件の違いを伝える
  4. 収録内容からページ構成を組み立てる
  5. 掲載条件と情報の時点を確かめる
  6. 配布方法と、更新する担当を決める

導入事例が増えてきたら、複数の記事を一冊のPDFや冊子にまとめられます。ただ、既存のPDFをつなげただけでは、どこから読めばよいか、各事例にどんな違いがあるかが分かりにくくなります。

読者とテーマを決め、条件の違う事例を選んで並べます。目次や比較表を添えると、自社に近い事例を探したり、各社の判断の違いを比べたりしやすくなります。

複数の記事を、一冊の判断材料に
  1. 読者とテーマ

    何を確かめるための事例集か

  2. 事例と構成

    選定、台割、共通の比較項目

  3. 確認と配布

    情報の時点・掲載範囲・最新版

事例集のテーマを、読者の疑問で決める

「最新の導入事例集」というまとめ方もできますが、特定の課題を持つ方には、何を確かめられる資料かが伝わる方が選びやすくなります。

  • 少人数の情報システム部門で、クラウドへ移行した事例を集める
  • 既存システムを残しながら、新しいサービスを導入した企業を比較する
  • 製造業の複数拠点で、業務を共通化した過程を紹介する
  • 試行から全社展開までの進め方を、複数社で読む

テーマを絞ると、収録しない事例も出てきます。知名度が高いからと、条件の違う記事を無理に加えるより、別冊やWeb記事として紹介する方が読者の判断を助ける場合があります。

掲載する事例を選び、比較できる項目をそろえる

一冊で比較したいのは、成果の大きさだけではありません。どんな条件で、何を選び、どのように進めたかを見ます。

共通項目 そろえる理由
企業・対象業務 読者が自社と条件を比べるため
導入前の課題 各社が何を解決したかったかを見るため
選定理由 重視した条件の違いを知るため
導入・定着の工夫 実際の進め方を参考にするため
成果と確認時点 対象と時期を取り違えずに読むため

古い記事で項目が欠けている場合は、追加確認が可能かを検討します。比較表の空欄を埋めるために、原稿から推測して書かないようにします。「本文に記載なし」と「実施していない」は違います。

比較表で、導入条件の違いを伝える

以下は、クラウド移行をテーマにした架空の比較例です。

事例 導入時の条件 進め方 読者が確認できること
A社 情報システム部門が少人数 移行先の保守範囲と社内の担当業務を先に決定 移行後の運用を誰が担うか
B社 拠点ごとに業務の繁忙時間が異なる 拠点ごとの切り替え時間を調整し、順次移行 業務への影響をどう確かめるか
C社 社内に残すシステムとの連携が必要 検証環境でデータの受け渡しを確認してから切り替え 移行前に何を検証するか

同じクラウド移行でも、各社が先に解決すべきことは異なります。こうした条件を示すと、読者は自社の検討に役立つ事例を選べます。成果数値を並べる場合は、対象や期間の違いも併記します。

収録内容からページ構成を組み立てる

収録する記事と比較項目が決まったら、各ページに何を置くかを台割にまとめます。以下は、三つの事例をそれぞれ見開きで収録する冊子の構成例です。表紙を1ページ目として、裏表紙までの12ページを数えています。

表紙を含めた12ページの台割
  1. 1表紙

    誰のどんな疑問に答える資料かを示す

  2. 2目次・各事例の概要
    3対象読者・比較する条件

    自社に近い事例を探せるようにする
    各事例を読む際の着眼点を示す

  3. 4事例A
    5事例A

    一つ目の条件と導入の経緯を紹介

  4. 6事例B
    7事例B

    別の条件での判断・工夫を紹介

  5. 8事例C
    9事例C

    異なる運用や展開の例を紹介

  6. 10三事例の比較表
    11導入時の確認事項・関連資料

    共通点と条件の違いを確認
    自社で検討する項目と、詳しい資料を案内

  7. 12裏表紙・問い合わせ先

    発行元、連絡先、版・発行時点を明示

4〜5、6〜7、8〜9ページをそれぞれ見開きにすると、一つの事例を開いた状態で読めます。事例の分量を変える場合も、ページをめくる位置を確かめて台割を調整します。綴じ方や総ページ数は、原稿制作の前に印刷会社とも相談しておきます。

掲載条件と情報の時点を確かめる

Web記事として承認された内容を、冊子や営業用PDFに再掲載してよいかを確認します。本文を短くする、見出しを変える、複数社の比較表に入れる場合は、その状態で確認が必要になることもあります。

製品名、役職、導入状況、数値は記事の取材時点の情報です。冊子の発行日に合わせて現在の情報に書き換えると、当時の経験と混ざる恐れがあります。最新情報を追記する場合は、時点を分けて示します。

見直しの判断は、古い事例の更新・再編集で詳しく説明しています。

配布方法と、更新する担当を決める

PDFを商談で送るのか、Webでダウンロードしてもらうのか、展示会で配布するのかによって、容量や問い合わせ先の見せ方も変わります。画面向けと印刷向けのデータが必要かを、デザインの段階で確認します。

配布を始めたら、版と更新日を管理します。新しい版を作っても、営業の手元に古いファイルが残る場合があります。最新版の置き場所を決め、差し替え時には変更点を短く知らせます。

文・編集:株式会社アークタンジェント

IT・BtoBの導入事例、取材記事、営業資料、ホワイトペーパーなどを企画・制作しています。

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