導入事例への協力をお願いするとき、相手が知りたいのは「何のための取材か」「どれくらい時間が必要か」「何が公開されるか」です。この三つが分からないと、好意的な担当者でも社内に話を通しにくくなります。
まずは普段やり取りしている営業やサポートの窓口から打診します。承諾を急ぐより、相手が判断できる情報を短く渡すところから始めます。
- 協力の打診
目的・負担・掲載先を伝える
- 条件の相談
話者、写真、数値、確認手順
- 取材の準備
日程・質問案・掲載確認の予定
最初の連絡に入れる内容
目的
- 具体的に書くこと
- どの製品・取り組みを、どんな読者へ紹介したいか
お願いする内容
- 具体的に書くこと
- 話を聞きたいテーマ、参加してほしい方、写真の有無
所要時間・方法
- 具体的に書くこと
- オンラインか訪問か、取材と撮影の時間
掲載先
- 具体的に書くこと
- 自社サイト、PDF、営業資料など、予定している媒体
公開前の確認
- 具体的に書くこと
- 原稿や写真を確認してもらうこと、確認者・期間の相談
「お客様の取り組みを広く紹介できます」といった利点だけで依頼を組み立てると、実際に必要な作業が伝わりません。取材後に原稿確認があることも、最初に知らせておきます。
取材依頼メールの文例
以下は、発注者から顧客へ協力をお願いする場合の文例です。取材時間、掲載媒体、写真の扱いは実際の計画に合わせて変更してください。
件名:〇〇の導入事例取材についてのご相談
〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
このたび、〇〇をご利用いただいている貴社の取り組みを、導入事例としてご紹介できないか、ご相談したくご連絡しました。特に、〇〇の課題に対してどのように導入を進められたかを、同じ悩みを持つ企業の方へお伝えしたいと考えています。
取材はオンラインで60分程度を予定しており、質問案を事前にお送りします。導入の背景、選定の理由、ご利用後の変化を中心に伺う予定です。
掲載先は弊社Webサイトと営業用PDFを想定しています。社名、写真、数値などの掲載範囲は、事前にご相談させてください。原稿と掲載する写真・図版は、公開前に貴社にご確認いただきます。
まずは、このような取材へのご協力をご検討いただけますか。必要な資料や、社内の確認手順がございましたらお知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
署名
文例の60分は目安の設定です。話を聞く人数や内容、撮影の有無に合わせて所要時間を見積もり、移動や準備も含めた予定を伝えます。
掲載範囲は、媒体と素材を分けて確認する
Webに記事を載せることと、写真やコメントを広告に使うことは、同じ相談ではありません。用途が増える可能性があるなら、予定している範囲を具体的に示します。
| 確認する範囲 | 例 |
|---|---|
| 媒体 | 自社サイト、営業用PDF、印刷冊子、セミナー資料 |
| 名前・所属 | 社名、部署、役職、氏名、導入製品名 |
| 素材 | 人物写真、ロゴ、画面、現場写真、構成図 |
| 内容 | 成果数値、業務手順、顧客コメント、比較した条件 |
| 二次利用 | メールでの紹介、SNS、広告、別資料への抜粋 |
すべてをまとめて「広報利用」とせず、媒体と使い方を伝えると、相手も社内で確認しやすくなります。企業ごとの規定や既存契約がある場合は、その手順に従って担当部署と確認します。
相手が迷っている理由に合わせて相談する
忙しさが理由なら、既存資料で分かることを先に確認し、当日聞く内容を絞れます。社内確認が負担なら、依頼の趣旨や掲載先が分かる資料を用意し、必要な確認事項をまとめて渡します。
数字が出せない場合は、業務の変化を中心に取材できるかを相談します。ただし、「数値を出さなければ問題ない」とこちらで判断してはいけません。文章にする内容そのものを確認してもらいます。
協力が難しいという回答には、無理に食い下がらず、次の候補や取材時期を検討します。既存顧客との関係を、一本の記事のために損なわない配慮も必要です。
承諾後に送る、取材準備のチェックリスト
取材への承諾と、完成原稿の掲載承認は分けて管理します。取材が終わったら、原稿確認・承認の進め方に沿って、実際に掲載する状態で確認を依頼します。
文・編集:株式会社アークタンジェント
IT・BtoBの導入事例、取材記事、営業資料、ホワイトペーパーなどを企画・制作しています。
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